web3に興味を持ち始めると必ず出てくるDAO。
多種多様なDAOが存在していますが、医療に関するDAOもあることはご存知でしょうか?
医療に関するDAOもあります。
多くは海外のものですが、実は日本にも医療DAOがあります。
私自身、医療職ということもあり、DAOと医療がかけ合わせられるのは非常に興味深いのでいくつもDAOに参加している状態です。
医療×DAOはいくつもありますが、今回はそんな私が注目する医療に関するDAOを国内外あわせて4つ紹介していきたいと思います!
この記事はこんな人にオススメ!
・医療職でDAOに興味を持ち始めたけど、どこからみたらいいか分からない!
・海外の医療×DAOにどんなものがあるのか知りたい!
・国内の医療×DAOについても知りたい!
医療×DAO ① Vita DAO
https://www.vitadao.com/community
Vita DAOの特徴
Vita DAOはweb3の中でも特徴的な「分散型」医薬品開発を推進しているDAOです。
特に長寿の研究において、現在の生物化学における制限の限界に挑戦しています。
その限界と、解決方法については次の「Vita DAOが目指すゴール」で紹介します。
Vita DAOが目指すゴール
Vita DAOでは「今後半世紀で世界中で高齢化が急速に進み、健康寿命の延長が大切になる。長寿研究を加速し、それによって人類の健康寿命や寿命そのものを延長すること」をミッションとして掲げています。
前述したように、生物化学には制限も多く、より良いプロダクトの開発が難航することも多いです。
Vita DAOでは、その制限の中でもIP(知的財産)が民間企業に保有されてしまうことをDAOで改善しようとしています。
従来の民間企業がIPを保有する組織だと、研究者や患者との距離が生まれてしまい、研究開発が効率的に進まない問題が生まれるのです。
Vita DAOはこの問題に対して、研究者・専門家と一般市民を同じプラットフォーム上に集めて、研究者と患者の距離を縮めることによって、その問題の改善を図っています。
Vita DAOが注目の理由
みなさんご存知の通り、日本は超高齢化社会です。
内閣府によると、日本の総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、昭和25(1950)年には5%に満たなかったが、昭和45年(1970年)に7%うぃ超え、さらに平成6年(1994年)には14%を超えています。
令和元年(2019年)には28.4%になっており、令和24年(2042年)まで増加し続ける見込みとなっています。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html
寿命が伸びるということは良いことではありますが、健康的に長生きできることがより大切になっていくと考えられます。
世界的に見ても長寿大国の日本との相性もよく、個人的にはぜひ日本のデータも活用していけるように介入できればいいなぁ・・・と妄想しています(笑)
公式サイト:https://www.vitadao.com/community
Discord:https://discord.com/invite/vitadao
医療×DAO ② Cure DAO
Cure DAOの特徴
CureDAOは食品、医薬品、サプリメントが人間の健康に与える影響を研究することを目的としたDAOです。
誰でもデータや知的財産を寄付し、プラットフォーム用のカスタムプラグインをプログラムして収益化することができます。その見返りとして、トークンで収益の一部を得ることができます。
Cure DAOが目指す仕組み
Cure DAOが目指すゴール
Cure DAOは、過去10年間で健康に特化したアプリによって健康データが爆発的に収集できているにも関わらず、人々の健康に測定できるような改善がないまま、医療費が増加していることに問題意識をもっています。
この問題の要因として、Cure DAOは2つの要因を挙げています。
1つは過去10年間に収束された膨大なデータが分散しすぎており、病気予防のためのライフスタイルを改善する方法を算出するのに向いていなかったこと。
もう1つは、次々と登場する健康アプリの機能が重複しすぎており、貴重なプログラミングの労力を無駄にしているということです。
Cure DAOはこのような問題を克服するために、ユーザーが健康データを集約・分析し、治療や食事が病気にどのように影響するかを簡単に研究できるようにするためのプラットフォームを作りました。
Cure DAOが注目の理由
医療費の増加は日本でも大きな問題であること、健康データを気軽にとれるようになったが、それが活かされているケースがあまり多くなく、どのデバイスやアプリも似たようなデータしかとれていないことに共感しました。
医療費の増加に関しては、単純に高齢者が増えたことも大きいのですが、健康的に年齢を重ねることができるようになれば、医療費の圧迫は軽減できるでしょう。
健康データや、知的財産を寄付することで、トークンの一部を獲得できるなど、参画者へインセンティブがあるところがDAOらしく、今後の活動に注目しています!
公式サイト:https://www.curedao.org/
Discord:https://discord.com/invite/metKYrPuym
ホワイトペーパー:https://docs.curedao.org/constitution
医療×DAO ③ Genomes DAO
Genomes DAOの特徴
Genomes DAOは、今まで民間の企業などが所有していたゲノム情報を個人が所有することで、あなたのゲノム情報から得られる利益を個人が受け取ることができる仕組みを作っています。
Genomes DAOが目指す仕組み
自分のゲノムデータを自分で所有して、任意の相手にのみ開示できるようにし、アクセスを許可した場合にはGENEトークンが獲得できたり、自分のゲノムデータを使って装飾された猫のジェネラティブNFTを作ることも可能です。ブサかわです(笑)
Genomes DAOが目指すゴール
Genomes DAOは「自分のゲノムデータを自分で所有する」ことを目標に活動しています。
2022年には初の「暗号支払いインセンティブつきで、匿名のゲノム研究」を実施することを発表しています。
自分のゲノムデータを共有したユーザーがインセンティブを受けられることで、科学や医学の研究に匿名で協力したことになるため、ユーザーにとっても研究者にとっても有意義な取引ができることになります。
Genomes DAOが注目の理由
そもそも自分のDNAデータを採取することも一般的じゃないので、イメージしにくいと思います。
しかし、このゲノムデータは重要な個人情報であり、この情報を中間業者である企業が管理することで、実質的に自分が所有していない状態になることは望ましくないでしょう。
それだけでなく、中間業者が介在することで利益が企業に中央集権的に集約することで、研究者や専門家への利益が減り、生命科学・医療への発展を鈍足化させてしまっていることも考えられます。
ゲノムデータという最も貴重なデータを自分で所有し、現実的な価値を付加して生命科学・医療への貢献ができると思うとワクワクしますね!
また、とても地味ではありますが、自分のゲノムデータを使って装飾したジェネラティブNFTを作れるという遊び心も好きです(笑)
公式サイト:https://genomes.io/
Discord:https://discord.com/invite/3DaD2na4XJ
その他参考サイト:
・https://www.labiotech.eu/best-biotech/european-genomics-companies/
・https://hedge.guide/feature/nft-for-personal-dna-data-bc202206.html
医療×DAO(国内) ④MedicalDAO
https://twitter.com/medicaldaoweb3
MedicalDAOの特徴
上記3つは海外のDAOを取り上げましたが、実は日本にも医療のDAOがすでに存在しています。
それがMedical DAOです。
日本の「DAO×医療」で最も有名で、医療プロジェクトをつくる仕組みをweb3で作っています。
DAOの中では、web3初心者でも質問しやすいように「なんでも質問」部屋があるなど、比較的ITに弱いことが多い医療者でも馴染みやすいDAOになっております。
MedicalDAOの目指すゴール
Medical DAOのビジョンは「本来個人のものである医療を、Web3/NFTを活用して医療機関から個人の元へ返すことで、ミライの医療をつくること」です。
そのために
① 中央や意思決定の分散化、報酬や契約をスマートコントラクトで表現。
② DAO参加者のp2p(peer to peer)なやりとりを作るために、MedicalDAO token(MED)の導入。
これらを実践していく予定となっています。
②のMED導入は11/15から開始予定とのことです!
また、すでに「ナニソレクリニック」というプロジェクトも始動しており「NFTを通してクリニック開院・経営の共有体験・情報交換したい」という方や「NFTを通してクリニックを応援したい」という方へのプロジェクトとなっております。
https://lit.link/en/NaniSoreClinic
MedicalDAOが注目の理由
Medical DAOは現状、日本で唯一の「web3×医療」のDAOです。
特にファウンダーのShumonさん(https://twitter.com/Dr_S000 )の「真のDAOのつくりかた」は、はじめてDAOというものを知ったときに、最初に読ませていただいたnoteでした。
分かりやすく「真のDAO」について解説しており、DAOのファウンダーでありながらも「日本のDAOは『DAO』ではない」と言い切っていたことが、興味深かったです。
そして、現状のDAOが真のDAOではない理由と、今後真のDAOになるために必要な流れやプランが書かれており、web3初心者が最初にぶつかる「DAOって結局なに?」という疑問が分かりやすく解説されています。もはや教科書。
無料で読めるので、こちらに載せておきます!
→「真のDAOのつくりかた」
https://mirror.xyz/medinnovator.eth/NnFDZLv04riWNNE933kl-lJEKp228h1paav9D8L568Q
また、医療ブロックチェーンについてまとめられている記事もありますので、合わせてご参照ください!
→「医療ブロックチェーンはこれだけでいい」
https://mirror.xyz/medinnovator.eth/FUB9F5SPlqG4vWsVYsXDjrpScoKiE_eUDuvp-PAfRqg
Discordには、医療職も非医療職も参加可能で、すでに500人以上が参加している状態です。
MedicalDAOのDiscordにはweb3で活動する・興味がある医療職が集まっているので「web3に興味がある医療職」という稀有な存在が集まっていることも、ミライの医療をつくっていける期待感につながりますね!
そのほかにもメタバース講演会なども行っており、目が離せないイベントが盛りだくさんなところも見どころです。
公式サイト:https://lit.link/en/MedicalDAO
Discord:https://discord.com/invite/yf2DFHp9DK
公式Twitter:https://twitter.com/medicaldaoweb3
DAO×医療 まとめ
いかがでしたでしょうか?
医療に関連するDAOは世界的にもまだまだ少ない状態です。
そもそもDAOと言いつつも、どうしても中央集権的になってしまっているのは、今後の課題と言えるでしょう。
しかし、こういった挑戦が未来における「真のDAO」につながってくると思うので、私自身、実践しながら学んでいきたいと思います。